タキイ種苗株式会社が2022年7月にインターネット調査したデータ(※1)では、
コロナ渦で、野菜の摂取量に変化があったか?という問いに、
16%の人が増やしたと回答するなど、野菜へのニーズは高まっている。
一体、消費者は「どこで?」「どんな観点で?」野菜を選び、購入しているのだろうか?
日本施策金融公庫が発表した、令和2年度のインターネット調査(※2)によると、
◆野菜の購入場所
1位:食品スーパー(74.6%)
2位:総合スーパー(38.3%)
3位:直売所(13.8%)
◆購入時の判断基準
1位:価格(70.3%)
2位:鮮度(70.2%)
3位:国産(37.1%)
となっている。
実際、様々な野菜を売っている場所(スーパー、直売所、八百屋など)を見て回ると、
「お買い得!」「産地〇〇」などの札が並でいる。
昔は、魚は魚屋で、お肉は肉屋で、野菜は八百屋で買うのが、当たり前だったが
流通網やインターネット等の発展に伴い、今では消費者側も様々な選択肢から、
自分好みの食材を購入できる時代になった。
総合スーパーでは、近郊野菜売り場や、カット野菜コーナーなど、
様々なニーズにこたえられるよう、売り場の工夫が見られる。
こだわりの野菜を取り扱っている生協や宅配などの利用も広がり、
お気に入りの農家さんから直接取り寄せるなど、購入場所も多様化しているようだ。
一方、扱う店舗も徐々に増加し、認知も広がっている有機JASマークの野菜。
より安心安全な食品への高まりもあり、無農薬野菜の表示をするものが増え、
消費者側の商品選択に混乱を与えるということから、
平成11年に改正されたJAS法により、
現在では、認証事業者からのお墨付きがなければ
有機やオーガニックをうたってはいけないことになっている。
いつも賑わいを見せている、地元で穫れた新鮮野菜を、
お店の軒先で移動販売している近所の八百屋さん。
店員さんに聞いてみると、
「りんご以外はすべて、化学肥料や農薬は一切使っていません。
でも、オーガニックとはうたえないので、最高に栄養がのったおいしい時期に、
近くの畑で収穫し店頭に並べて、鮮度を一番の売りにしています。」とのこと。
多少お値段はするが、珍しく色とりどりの野菜が並べられている。
おすすめの調理法など店員さんとの会話を楽しみながら、ついつい購入してしまう。
昨今、物価の高騰を野菜も受けて高騰しているが、
こうした人と人とのつながりによる豊かな食選びを、
消費者側も本能的に求めているのでは、と感じる今日この頃である。