以下は、株式会社NAC星野農場長のブログ記事です。
9ヶ月に渡るタマネギの栽培実験の結果です。
今回の栽培実験では追肥(野菜の種を蒔いたり植えた後に追加で肥料をあげること)をするかしないかで
①大きさ ②味 ③貯蔵性
この3点で違いが出るのかを比較的するために数種類のタマネギを同じ畝で栽培してみました。
実験結果の①と②はひとまず完了したので、実験方法を簡単におさらいしつつ、その結果をお伝えします
YouTubeチャンネル【ちょこっと自然農】にて動画を公開済みです↓
今回の実験は
①貝塚早生タマネギ、②泉州黄タマネギ、③赤タマネギ、④ムソナオニオン
の4種類のタマネギ(いずれも固定種)をタネから育てました。
8月下旬から9月上旬に種まきをして50日ほど育苗して畑に植えました。
定植前に、畝には元肥(もとごえ:最初に土に混ぜておく肥料)として軽く米糠を振り撒いて馴染ませておきました。(1m四方に100gくらいだったと思います、量っておらずだいたい2握りくらい撒いてました)
そして11月上旬に5列で植えて、片側半分には12月、1月、2月の下旬に1回ずつ合計3回追肥を行い、反対側には追肥は行いませんでした。
その結果がこんなかんじ↓
2021年5月19日:貝塚早生タマネギ
2021年5月19日:泉州黄タマネギ
重さを量ったのはこの貝塚早生と泉州黄の2つ。
どちらも左側が追肥無し、右側が米糠か国産油粕を追肥したものです。
見た目でも右側の方が明らかに大きくなっているのがわかりますが、それぞれの重さを図ったところ平均して約3倍の違いがでました。
つまり、今回の条件では追肥を行ったら3倍の大きさになったということです。
大きさも大事ですが、味ももちろん大事。
加熱して食べ比べるところまでやれたら良かったのですが、生でかじるほうがダイレクトに味の違いを感じることが出来るので、それぞれスライスして味見をしてみると、
追肥をして大きくなった方は甘みがほとんど感じられないのに対して、追肥しなかった方は最初に甘みを感じてその後に玉ねぎらしい辛味が来ました。
追肥をしなかった方が甘みがあるし、辛味や風味自体もやや強めになっていました。
(※機械で測ったわけではなくあくまで私の味覚による主観です)
このことから、肥料を上げれば早く大きく出来るがその代わりに味が悪くなってしまう可能性もあり、だからと言って無肥料だと規格の大きさにまで育たないかもしれない。
肥料やその他資材の使い方の技術を使うことで安定して作物を生産しているのがプロの生産農家さんなのだと改めて感じることも出来ました。
家庭菜園でも、肥料をあげすぎずにちょうど良い量ややり方を見つけていくことで栽培技術が上がっていくと思うので、良かったら色々と試しながら栽培を楽しんでみて下さい^ ^